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x±のときf(x)A」「x±のときf(x)±」【解析学の基礎シリーズ】関数の極限編 その18

解析学

本記事の内容

本記事は「x±のときf(x)A」「x±のときf(x)±A」について解説する記事です。

本記事を読むにあたり、数列の発散で述べた「無限大」を知っている必要があるため、その際は以下の記事を参照してください。

また、関数の収束についても知っている必要があるため、その際は以下の記事を参照してください。

また、ある点付近での発散も知っている必要があるため、その際は以下の記事を参照してください。

関数の発散と数列の発散の違いの復習

数列の発散と関数の発散には視点に若干の違いがありました。
違いは

  • 数列:nのみ。
  • 関数:xa(ある点付近の値は?)、x(最終的に値はどうなる?)

でした。
前回(【解析学の基礎シリーズ】関数の極限編 その17)はxaでの発散、すなわちxaのときのf(x)について解説しました。
今回は「最終的に値はどうなるの?」というx±のときについて解説します。

x±のとき、関数はf(x)Aとなることもあれば、f(x)±となることもあります。
つまり、最終的な値は収束するパターンと発散するパターンがある、ということです。
今回はこれらについて解説します。

最終的に値が収束する場合

最終的に値が収束する場合、というのは記号で書けば「x±のときf(x)A」となる場合です。

これは、殆ど数列の極限と同じ考え方です。
数列の極限は、平たくいえば「ある番号以降の数列の値がある実数と十分近いときに収束するという。」のでした。
関数に対しては、番号ではなく

URより先の実数xに対しては、xにおける関数の値f(x)Aとい十分近いときに、関数fxAに収束するという。

なのです。
つまり、Uが見つかれば、「fAに収束するという」わけです。

※注意※ 数列のときに述べたように、「AB十分近い」は数学的に「ϵ>0に対して|AB|<ϵ」と言い換えられるのでした。

以上のことを論理式で書けば、次です。

xxのときの関数の収束 f:IRARとする。
  • xのときのAへの収束
  • I=(α,)のとき、関数fAに収束するとは、次が成り立つことをいう。 (ϵ>0)(UR) s.t. (xI:x>U|f(x)A|<ϵ) このとき、 limxf(x)=A と書く。
  • xのときのAへの収束
  • I=(,β)のとき、関数fAに収束するとは、次が成り立つことをいう。 (ϵ>0)(LR) s.t. (xI:x<L|f(x)A|<ϵ) このとき、 limxf(x)=A と書く。

では、実際に例を与えて証明してみましょう。

例1.
f:R{0}Rf(x)=1x2で定められているとします。
このとき、limx1x2=0です。

※注意※ 高校の数Ⅲで学んだ極限を思い出すと、この場合xを代入して「12=1=0だね。」としたくなってしまうかもしれませんが、厳密にはこれは間違いです。
なぜかと言うと、「xは実数だから。」なのです。
というのも、【解析学の基礎シリーズ】数列の発散編 その2で説明したように、は実数ではないからです。
xは実数だ、って言ってんのに実数じゃないモノを代入できるわけねえだろ」というわけです。
あくまで形式的に過ぎないのです。
勿論「この極限を計算しなさい」と言われたらば、イメージとしてを代入して考えるのは良いですが、厳密な証明にはなっていません。

証明

示したいことは
(ϵ>0)(U>0) s.t. (xR:x>U|1x2|<ϵ)
です。
今まではδを見つけてきなさい、ということで「今回はちょっと違うのかな?」と思うかもしれませんが、本質的には同じです。

さて、「もしそういうU>0があったらば…」ということで進めてみましょう。
もし、任意のϵ>0に対して上記を満たすようなU>0があったとしたら、
x>UなるxRに対して、
|1x2|=1|x|2<1U2
ですから、1U2=ϵという方程式を解くことでUが求まるな、となるわけです。
これを解けば、U=1ϵとすれば良い事がわかります。

従って、任意のϵ>0に対して、U=1ϵとすると、U>0です。
x>UなるxR{0}に対して、
|1x2|=1x2<1U2=11ϵ2=ϵ
です。
故に
(ϵ>0)(U>0) s.t. (xR:x>U|1x2|<ϵ)
が成り立ったので、limx1x2=0です。

証明終わり

次に、値が発散する場合を考えます。

最終的に値は収束せず発散する場合

今までの話を組み合わせることですぐに分かります。
というのも、「最終的に」は「ある正の実数U以降のxに対して」、「正の(負の)無限大に発散する」は「どんな実数よりも大きい(小さい)」と表現できるからです。
つまり、

URより先の実数xに対しては、xにおける関数の値f(x)がどんな実数よりも大きいときに、関数fxに発散するという。
URより先の実数xに対しては、xにおける関数の値f(x)がどんな実数よりも小さいときに、関数fxに発散するという。

なのです。
つまり、ある程度大きいxに対しては、

  • f(x)がどんな実数よりも大きいときに、関数fxに発散するという。
  • f(x)がどんな実数よりも小さいときに、関数fxに発散するという。

ということです。
同様に、ある程度小さいxに対しては、

  • f(x)がどんな実数よりも大きいときに、関数fxに発散するという。
  • f(x)がどんな実数よりも小さいときに、関数fxに発散するという。

ということです。

これらを論理式で書くと、次です。

xxのときの関数の発散 f:IRARとする。
  • xのときのf(x)
  • I=(α,)とする。xのとき関数f(正の無限大)に発散するとは、次が成り立つことをいう。 (UR)(UR) s.t. (xI:x>Uf(x)>U) このとき、 limxf(x)= と書く。
  • xのときのf(x)
  • I=(α,)とする。xのとき関数f(負の無限大)に発散するとは、次が成り立つことをいう。 (LR)(UR) s.t. (xI:x>Uf(x)<L) このとき、 limxf(x)= と書く。
  • xのときのf(x)
  • I=(,β)とする。xのとき関数f(負の無限大)に発散するとは、次が成り立つことをいう。 (UR)(LR) s.t. (xI:x<Lf(x)>U) このとき、 limxf(x)= と書く。
  • xのときのf(x)
  • I=(,β)とする。xのとき関数f(負の無限大)に発散するとは、次が成り立つことをいう。 (LR)(LR) s.t. (xI:x<Lf(x)<L) このとき、 limxf(x)= と書く。
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少々まとめてみると、

  • xf(x)
  • xf(x)
  • xf(x)
  • xf(x)

の4パターンがある、と言っているわけです。

では、この中から「xf(x)」のパターンと「xf(x)」のパターンの例と証明を与えてみます。

例2. g:RRg(x)=x2で定められているとします。
このとき、limxx2=です。

(証明)
示したいことは
(UR)(UR) s.t. (xR:x>Ux2>U)
です。

仮に、任意の実数Uに対して、上記を満たすようなUがあったとしましょう。
x>UなるxRに対して、x2>U2とは限りませんが、xのときを考えているので、x>0で考えてOKです。
従って、x2>U2だから、U2=Uという方程式を解くことでUが求まるな、となるわけです。
これを解けば、U=Uとすれば良い事がわかります。

従って、任意のURに対して、U=Uとします。
x>UなるxRに対して、
x2>U2=(U)2=U
ですから、
(UR)(UR) s.t. (xR:x>Ux2>U)
が成り立ったので、limxx2=です。

証明終わり

例3. h:RRh(x)=x3で定められているとします。
このとき、limxx3=です。

証明

示したいことは
(LR)(LR) s.t. (xR{0}:x<Lx3<L)
です。

仮に、任意の実数Lに対して、上記を満たすようなLがあったとしましょう。
x<LなるxRに対して、
x3<L3
ですから、L3=Lという方程式を解くことでLが求まるな、となるわけです。
これを解けば、L=3Lとすれば良い事がわかります。

従って、任意のLRに対して、L=3Lとします。
x>LなるxRに対して、
x3<L3=(3L)3=L
ですから、
(LR)(LR) s.t. (xR:x<Lx3<L)
が成り立ったので、limxx3=です。

証明終わり

今回は「関数の値が最終的にどうなるの?」ということについて解説しました。
数列の場合と違うのが、関数では

  • xaf(x)
  • xaf(x)
  • xf(x)
  • xf(x)
  • xf(x)
  • xf(x)

の6パターンあることです。
これを言葉で説明すれば、

  • ある点付近で、関数の値がどんな実数よりも大きい。
  • ある点付近で、関数の値がどんな実数よりも小さい。
  • ある程度大きい実数に対する関数の値がどんな実数よりも大きい。
  • ある程度大きい実数に対する関数の値がどんな実数よりも小さい。
  • ある程度小さい実数に対する関数の値がどんな実数よりも大きい。
  • ある程度小さい実数に対する関数の値がどんな実数よりも小さい。

ということです。

次回は点列という数列の多次元バージョンの収束について説明します。

乞うご期待!質問、コメントなどお待ちしております!

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