Loading [MathJax]/jax/output/CommonHTML/jax.js
スポンサーリンク

「連続な関数の合成関数も連続な関数」【解析学の基礎シリーズ】関数の極限編 その9

解析学

本記事の内容

本記事は「連続な関数の合成関数もまた連続な関数である」ということを説明し証明する記事である。

本記事を読むにあたり、関数の連続および合成関数(合成写像)について知っているとより理解が進むと思われるのでその際は以下の記事を参照してください。

連続関数の合成関数も連続関数

連続関数の合成関数もまた連続関数なのである。
「これが分かると何が嬉しいの?」と思われるかもしれないが、筆者が挙げる例は比較的分かりやすいものなのだが、実際研究をしたり、理論を展開するとなるとそうともいかない。
むしろ、複雑である。
その複雑な関数の連続性を議論するときに「δをどうやって取ればいいかな…」ということもまた複雑である。
しかし、関数の各部分が連続であることがわかれば、全体も連続である、という主張なのだから連続性を確かめる回数は増えるかもしれないが、個々の連続性の議論をシンプルにすることができる。

つまり、複雑な関数の連続性を考えやすい関数に落とし込むことができるのは、

  • 連続関数の和・差・積・商も連続である。(商だけ「分母0の定義域で」という意味で特殊)
  • 多項式関数は連続である。
  • 有理関数は連続である。
  • 連続な関数の合成関数も連続である。

が成り立っているが故なのである。

例を挙げよう。

例8. f:R>0R>0およびg:R>0R>0f(x)=2xg(x)=xで定められているとする。
このとき、gfR>0で連続である。

(証明)
f:R>0R>0は全単射であるので、yR>0に対して、y=f(x)なるxRが存在する(全射だから)。
従って、fgの合成関数を考えることができる。
このとき、
(gf)(x)=g(f(x))=g(2x)=2x
である。
今回示したいのは、
(aR>0)(ϵ>0)(δ>0) s.t. (xR:0<|xa|<δ|2x2a|<ϵ)
である。
つまり、上記を満たすδを見つけてくれば良い。

δ=ϵ22+2a2ϵとすると、δ>0であり、|x|<|a|+δであるから、
|2x2a|=2|xa|<2(|a|+δa)=2(|a|+ϵ22+2a2ϵ2)=2((a)2+(ϵ2)2+2ϵ2aa)=2((ϵ2+a)2a)=2(ϵ2+aa)=ϵ
従って、
(aR>0)(ϵ>0)(δ>0) s.t. (xR:0<|xa|<δ|2x2a|<ϵ)
が成り立ったので、gfR>0で連続である。
(Q.E.D.)

では、連続な関数の合成関数もまた連続な関数であるという主張を明示しよう。

合成関数の極限 IをとJRの区間、f:IRg:JRを関数とする。 さらに、f(I)JaˉIbˉJcRとする。 このとき、limxaf(x)=blimybg(y)=cならば、 limxa(gf)(x)=c が成り立つ。

「条件f(I)Jっている?」と思うかもしれないが、この条件がないと、合成関数を考えることができない。

「おや?これは極限であって関数が連続であることとは関係なくね?」と思うかもしれないのだが、c=(gf)(a)の場合を考えれば、上記の主張はそのまま、連続な関数の合成関数は連続な関数である、という主張になる。

(証明)
示したいことは、
(ϵ>0)(δ>0) s.t. (xI:0<|xa|<δ|(gf)(x)c|<ϵ)
である。
limybg(y)=cであるから、
(ϵ1>0)(δ1>0) s.t. (yJ:0<|yb|<δ1|g(y)c|<ϵ)
が成り立っている。
さらに、
limxaf(x)=bであるから、
(ϵ2>0)(δ2>0) s.t. (xI:0<|xa|<δ2|f(x)b|<ϵ2)
が成り立っている。
ここで、ϵ2>0は任意の正の実数であるから、ϵ2=δ1でも成り立つ。
従って、
(aI) 0<|xa|<δ2|f(x)b|<δ1
が成り立つ。
従って、δとして、δ2を採用する。
上記を満たすようなxIに対して、y=f(x)と書くことで、
|f(x)b|<δ1により|yb|<δ1が成り立つ。
従ってこのようなy|g(y)c|<ϵ1であるから、
|g(y)c|=|g(f(x))c|<ϵ1
を満たす。
ここで、ϵ1は任意の正の実数なので、新たにϵと書き直すと、
(ϵ>0)(δ>0) s.t. (xI:0<|xa|<δ|(gf)(x)c|<ϵ)
が成り立った。
従って、合成関数の極限が成り立つ。
(Q.E.D.)

今回は連続な関数の合成関数もまた連続な関数である、という主張を説明し、証明した。
とどのつまり、

連続な関数を組み立てた関数もまた連続な関数である。

という事が分かる。
勿論、関数の商の連続性と同様に定義域やらをしっかり考える必要はあるが、おおよそこの通りである。
この事実から、複雑な関数でもその関数の各部分について連続性を議論することで、元の関数の連続性の議論ができる、というわけである。
確かに、連続性の議論の回数は増えるかもしれないが、1回あたりの議論のウエイトは減る。

次回は初等関数を総復習し、その後初等関数の連続性について述べる。
※諸事情により、2022/4/10はお休みします。

乞うご期待!質問、コメントなどお待ちしております!

この記事の内容をより詳しく知りたい方は以下のリンクの本を参照してください!
ちなみに「解析概論」は日本の歴史的名著らしいので、辞書的にもぜひ1冊持っておくと良いと思います!

コメントをする

タイトルとURLをコピーしました