本記事の内容
本記事は、基本情報技術者試験におけるシステムを処理の仕方での分類について、情報及びコンピュータの素人目線から説明する記事です。
本記事を読むにあたり、システムについて知っている必要があるため、以下の記事も併せてご覧ください。
イントロ
中学校の理科の授業では、電池を直列と並列に並べた時の電圧の違いを学びました。
システムの装備の並べ方によって信頼性が変わります。
基本情報技術者試験では、「稼働率を計算する問題」が頻出
RASIS
RAISIS(れいしす)とは、システムを評価するための5つの指標の頭文字を組み合わせた造語です。
MTBF
MTBF
MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔)とは、故障と故障の間、すなわちシステムが故障せずに正しく動いていた時間の平均値を指す。MTBFは信頼性を表す指標の一つです。
$$
{\rm MTBF}=\frac{稼働時間の合計}{故障回数}
$$
次の例のような間隔で稼働しているシステムのMTBFは130時間です。
MTBF時間が大きいシステムほど信頼性が高く、逆に小さいシステムほど信頼性が低いといえます。
MTBFを大きくするには、定期的にシステムメンテナンスをすることが必要です。
古くなったハードウェアを交換することで、故障を未然に防げます。
基本情報技術者試験では、このMTBFを高めるメンテナンスのことを予防保守といいます。
MTTR
MTTR
MTTR(Mean Time T Repair:平均修理時間)とは、修理にかかった時間、すなわちシステムが稼働していなかった時間の平均値である。MTTRは保守性を表す指標の一つです。
$$
{\rm MTTR}=\frac{故障時間の合計}{故障回数}
$$
次の例のような間隔で稼働しているシステムのMTTRは60時間です。
MTTRが小さいシステムほど保守性が高く、逆に大きいシステムほど保守性が低いといえます。
稼働率
稼働率
稼働率とは、システムが故障せずに動いていた時間の割合である。MTTRは可用性を表す指標の一つです。
$$
{\rm 稼働率}=\frac{{\rm MTBF}}{{\rm MTBF}+{\rm MTTR}}
$$
次の例のような間隔で稼働しているシステムの稼働率は0.68です。
稼働率が高いシステムほど可用性が高く、逆に低いシステムほど可用性が低いといえます。
稼働率が1であるようなシステムは一度たりとも故障せずにずっと仕事をしているシステムということになります。
直列システムと並列システム
システムは、システムを構成する装置の配置方法によって
- 直列システム
- 並列システム
- 多重化システム
に分類できます。
配置方法によって稼働率が変わります。
直列システム
直列システム
直列システムとは、複数の装置が直列に接続されたシステムである。直列システムの稼働率は以下で計算できます。
直列システムの稼働率=装置Aの稼働率×装置Bの稼働率
すなわち、装置Aと装置Bが同時に稼働していないと、システム全体としては動かないわけですから
直列システムの稼働率=装置Aが稼働する確率×装置Bが稼働する確率
ということになるわけです。
並列システム
並列システム
並列システムとは、複数の装置が並列に接続されたシステムである。並列システムの稼働率は以下で計算できます。
並列システムの稼働率=1-(1-装置Aの稼働率)×(1-装置Bの稼働率)
すなわち、装置Aと装置Bの少なくとも一方さえ稼働していれば、システム全体としては動くわけですから
並列システムの稼働率=1-装置Aと装置Bが同時に稼働する確率
という余事象で求まるわけです。
多重化システム
多重化システム
多重化システムとは、複数の装置、もしくは複数のシステムを部品として組み合わせて作成するシステムを指す。多重化システムは部分的に直列システムと並列システムに分割できるので、多重化システムの稼働率は、各部分的なシステムの稼働率の掛け算で求まります。
結
今回は、基本情報技術者試験におけるシステムの信頼性指標について、情報及びコンピュータの素人目線から説明しました。
システムの信頼性指標には
- 信頼性
- 可用性
- 保守性
- 完全性
- 安全性
が存在します。
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