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「積分の区間に関する加法性」【解析学の基礎シリーズ】積分編 その9

積分法

本記事の内容

本記事は、積分の区間に関する加法性について解説する記事です。

本記事を読むにあたり、ダルブーの定理について知っている必要があるため、以下の記事も合わせてご覧ください。

積分の区間に関する加法性って?

内容自体は大したことはありません。
1次元の場合は高校数学で出てきています。

要するに、今回は
baf(x) dx=caf(x) dx+bcf(x) dx
が1次元だけでなくn次元でも成り立つ、ということを解説します。

主張の明示とその証明

定理1.(区間に関する加法性)

ΔRnの有界閉集合Iの任意の分割とし、fI上の有界な関数とする。fI上で可積分ならば、全てのkK(Δ)に対し、fIk上で可積分で If(x) dx=kK(Δ)Ikf(x) dx が成り立つ。逆に、fが全てのIk (kK(Δ))上で可積分ならば、fI上で可積分で①が成り立つ。

IRの区間であって、I=I1I2I1I2={c}であったときにはまさに先程の
baf(x) dx=caf(x) dx+bcf(x) dx
を指しています。

定理1.の証明

今、Δの細分である分割Dによって、Δの小区間Ik (kK(Δ))の分割Dkが得られたとすると、Dに関するfI上の不足和sD=sD(f,I)に対して、
sD(f,I)=kK(Δ)sDk(f,Ik)
が成り立ちます。
ここで、d(D)0とすると、全てのkK(Δ)に対して、d(Dk)0でもあります。

ここで、ダルブーの定理を使います。

定理2.(ダルブーの定理)

IRnの閉区間とする。このとき、任意の有界な実数値関数f:IRに対して常に limd(Δ)0sΔ=s,limd(Δ)0SΔ=S が成り立つ。

定理2.(ダルブーの定理)の証明は【解析学の基礎シリーズ】積分編 その3を御覧ください。

定理2.(ダルブーの定理)から、下積分について
I_f(x) dx=kK(Δ)Ik_f(x) dx
が成り立ちます。

同様にして上積分についても
¯If(x) dx=kK(Δ)¯Ikf(x) dx
が成り立ちます。

ここで、以下の可積分条件を使います。

定理0.(可積分条件)

IRnの有界閉集合とするとき、I上の有界な実数値関数f:IRに対して、次の1.~5.は同値である。
  1. fI上で(リーマン)可積分である。
  2. limd(Δ)0(SΔsΔ)=0
  3. リーマンの可積分条件
  4. 小区間Ik (kK(Δ))上のfの振幅a(f,Ik)=Mkmkに対して、 limd(Δ)0kK(Δ)a(f,Ik)v(Ik)=0 である。
  5. ダルブーの可積分条件
  6. S=s、すなわち、 I_f(x) dx=¯If(x) dx である。
  7. 任意のε>0に対して、SΔsΔ<εとなるIの分割Δが存在する。
 そして、これらの条件が満たされるとき、 If(x) dx=S=s が成り立つ。

定理0.の証明は【解析学の基礎シリーズ】積分編 その4および【解析学の基礎シリーズ】積分編 その5を御覧ください。

今、fI上で可積分だから、定理0.の4.が成り立ち、
I_f(x) dx=¯If(x) dx
です。

一方で、任意のkK(Δ)に対して
Ik_f(x) dx¯Ikf(x) dx
が成り立っているので、この不等号は全て等号でなければなりません。
そこで、fは各Ik (kK(Δ))上で可積分で①が成り立ちます。

逆に、fが各Ikで可積分ならば、任意のkK(Δ)に対して、
Ik_f(x) dx=¯Ikf(x) dx
が成り立つから、②と③により
I_f(x) dx=¯If(x) dx
となり、fI上で可積分です。

定理1.の証明終わり

積分の区間に関する加法性の系

定理1.の系を1つ解説します。

直感的には「当たり前でしょ」ということです。

一言でいうと、

定義域で可積分な関数は、定義域の部分集合でも可積分ですよ。

という主張です。

系3.

fが有界閉集合I上で可積分ならば、JIとなる任意の閉集合J上でfは可積分である。

系3.の証明

簡単です。

あるkK(Δ)に対して、Ik=JとなるようなIの分割Δを1つ取ります。
この分割に対して定理1.を適用させればOKです。

系3.の証明終わり

定理1.を確かめてみます。

例4. I=[0,2]f:IRf(x)=xで定めます。
これは以前に証明したようにfI上で可積分で、
If(x) dx=20x dx=[12x2]20=12(40)=2
です。

ここで、I=[0,1][1,2]として、各区間について積分を計算してみます。

10x dx=[12x2]10=12(10)=1221x dx=[12x2]21=12(41)=32
となるので、
10x dx+21x dx=12+32=2
となり、確かに一致します。

皆様のコメントを下さい!

数学ばかりやっていると、頭が混乱することはありませんか?
数学だけに限らず、息抜きというものは必要だと思います。

筆者は博士後期課程に進学していますが、そこで得た数学者と数学をやっている人の特徴を紹介します(勿論、筆者の周りではという話ですが)。

数学者の方は、よくコーヒーを飲む印象があります。
さらに、そのコーヒーの量がえらく多いです。
「胃が痛くならないのかな?」と思うくらいです。
筆者はコーヒーよりも紅茶派なので、コーヒーはあまり飲みませんが。

さらに、お酒の量も尋常じゃありません。
めちゃめちゃ飲みます。
数学をやっている方全員じゃないにしろ、趣味が「お酒を嗜むこと」という方は多い印象があります。

皆様は数学をやっている人にどういう印象がありますか?
コメントで教えて下さい!

今回は、積分の区間に関する加法性について解説しました。
既に高校数学で学んでいたことがn次元でも成り立つよ、ということを解説しました。

次回はベクトル値関数の積分を解説します。

乞うご期待!
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