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「関数の連続の言い換え」〜片側極限〜【解析学の基礎シリーズ】関数の極限編 その6

解析学

本記事の内容

本記事は関数の連続を”片側極限”という別の言い方をする記事である。

本記事を読むにあたり、関数の連続、関数の収束について知っているとより理解が進むと思われるので、その際は以下の記事を参照してください。

関数の連続の言い換え

先に関数の連続は

xxaaに近づくとき、f(x)f(x)f(a)f(a)に近づくというときにffx=ax=aで連続だという。

のだった。
また、定義域のすべての要素aaに対して上記が成り立つとき、定義域内で連続であるというのだった。
これらは結局関数ffの極限がf(a)f(a)と一致するということだった。
直感的にはaaで関数がつながっているときにaaで連続だ、ということだった。
これを言い換えてみると、

xxを左からaaに近づけたときの極限と、xxを右からaaに近づけたときの極限が一致していて、しかもその極限がf(a)f(a)であるときにffx=ax=aで連続だという。

近づく方向ってどうやって数学で表現するの?

何ら難しいことではない。

  • 右から近づく
    右からaRaRに近づく、というのはxxaaよりも大きい状態でaaに近づくということ。
  • 左から近づく
    左からaRaRに近づく、というのはxxaaよりも小さい状態でaaに近づくということ。

なのである。
関数がaaで連続であるというのは
(ϵ>0)(δ>0) s.t. (xI: 0<|xa|<δ|f(x)f(a)|<ϵ)(ϵ>0)(δ>0) s.t. (xI: 0<|xa|<δ|f(x)f(a)|<ϵ)
が成り立つことだった。
近づける方向はxxに対する条件なのだから、0<|xa|<δ0<|xa|<δの部分を改変することで表現できる。 0<|xa|<δ0<|xa|<δδδの状態で近づく。
従って、右から近づくことは0<xa<δ0<xa<δで表現される。
同様に、δ<xa<0δ<xa<0は左から近づくことを表現している。
これを論理式で書けば、次である。

片側極限 IIRRの区間、f:IRf:IRを写像(関数)、aˉIa¯IARとする。
  • Rが関数fの右極限であるとは、 (ϵ>0)(δ>0) s.t. (xI: 0<xa<δ|f(x)R|<ϵ) が成り立つことをいう。このとき、 limxa+0f(x)=R と書く。
  • Lが関数fの左極限であるとは、 (ϵ>0)(δ>0) s.t. (xI: δ<xa<0|f(x)L|<ϵ) が成り立つことをいう。このとき、 limxa0f(x)=L と書く。

片側極限と関数の連続との関係

では、片側極限がどのように関数の連続と関連するかということを表現する定理を述べる。

定理5. αRとする。このとき、 limxaf(x)=αlimxa+0f(x)=limxa0f(x)=α が成り立つ。 特にα=f(a)のとき、左右の極限が一致し、かつその極限がf(a)と一致することと関数がaで連続であることは同値である、という主張である。

(証明)

f:IRを関数、αRとする。

  • limxaf(x)=αlimxa+0f(x)=limxa0f(x)=αの証明
    示したいことは、
    (ϵ1>0)(δ1>0) s.t. (xI: 0<xa<δ1|f(x)α|<ϵ1)
    (ϵ2>0)(δ2>0) s.t. (xI: δ2<xa<0|f(x)α|<ϵ2)
    が成り立つことである。
    limxaf(x)=αであるから、
    (ϵ0>0)(δ0>0) s.t. (xI: 0<|xa|<δ0|f(x)α|<ϵ0)
    が成り立つ。
    故に上記を満たすδ0>0を見つけてくることができる。
    δ1およびδ2としてδを採用し、ϵ0>0は任意だっため新たにϵと書き換えると、0<xa<δならば、0<|xa|<δが成り立つ。
    また、δ<xa<0ならば、0<|xa|<δが成り立つ。
    故に
    (ϵ>0)(δ>0) s.t. (xI: 0<xa<δ|f(x)α|<ϵ)
    かつ
    (ϵ>0)(δ>0) s.t. (xI: δ<xa<0|f(x)α|<ϵ2)
    が成り立つので、①および②が成り立つ。
  • limxa+0f(x)=limxa0f(x)=αlimxaf(x)=αの証明
    示したいことは、
    (ϵ>0)(δ>0) s.t. (xI: 0<|xa|<δ|f(x)α|<ϵ)
    である。
    今、limxa+0f(x)=limxa0f(x)=αなのだから、
    (ϵ1>0)(δ1>0) s.t. (xI: 0<xa<δ1|f(x)α|<ϵ1)
    (ϵ2>0)(δ2>0) s.t. (xI: δ2<xa<0|f(x)α|<ϵ2)
    が成り立っている。
    故に上記を満たすδ1>0, δ2を見つけてくることができる。
    δとして、δ1δ2>0の内、大きい方を採用し、ϵ0>0は任意だっため新たにϵと書き換えると、
    ①’(ϵ>0)(δ>0) s.t. (xI: 0<xa<δ|f(x)α|<ϵ)
    ②’(ϵ>0)(δ>0) s.t. (xI: δ<xa<0|f(x)α|<ϵ)
    が成り立っている。
    従って、0<|xa|<δならば0<xa<δかつδ<xa<0が成り立つ。
    故に
    (ϵ>0)(δ>0) s.t. (xI: 0<|xa|<δ|f(x)α|<ϵ)
    が成り立つ。(Q.E.D.)

片側極限が一致するだけじゃだめなの?

だめなんです。
なぜならば、次の例を考えてみる。

例1.
u:RR
u(x)={x+2(xR{1})1(x=1)
で定められていたとする。

このとき、limx1+0u(x)=limx10u(x)=3だが、u(1)=1である。
しかし、前回の記事(【解析学の基礎シリーズ】関数の極限編 その5)の例4.で証明したとおり、このux=1で連続でない。

今回は片側極限について解説した。

関数の連続は、要は「関数がつながっている」ということなのだから、「左から近づけたときと右から近づけたときの値が一致して、かつその値が関数の値とも一致しているとつながってるよね?」という比較的素朴な発想から来ている。

前回まで説明した関数の連続よりもむしろ分かりやすいかもしれない。

ただ、左右の極限が一致するだけでは連続とは言えないことに注意する。

次回は連続関数の和・差・積・商について説明する。

乞うご期待!質問、コメントなどお待ちしております!

この記事の内容をより詳しく知りたい方は以下のリンクの本を参照してください!
ちなみに「解析概論」は日本の歴史的名著らしいので、辞書的にもぜひ1冊持っておくと良いと思います!

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